長引く物価高を背景とした、「飲食料品に消費税をかけない」政府の方針が注目を集めています。実は、どのような取り扱いになるかによって事業者が納める消費税額が変わることは、意外と知られていません。現段階の議論においては、取引区分を「税率0%(課税取引)」とするか、「非課税取引」とするか――が大きな焦点となっています。飲食料品のみを販売する事業者を例に、その違いをおさえておきましょう。
○「税率0%(課税取引)」の場合:売上に係る消費税は0となりますが、飲食料品以外の仕入(備品や包装材等)に係る消費税は差し引くこと(仕入税額控除)ができます。そのため、消費税確定申告によって仕入に係る消費税(支払った消費税)が還付されます(本則課税による申告の場合)。
○「非課税取引」の場合:売上に係る消費税は0となりますが、飲食料品以外の仕入(備品や包装材等)に係る消費税を差し引くこと(仕入税額控除)ができません(本則課税による申告の場合)。そのため、仕入時に支払った消費税額の全額がコストに含まれ、コストアップは避けられず、事業者によっては利益が減ってしまいます。値上げ等の検討も必要になるでしょう。